宇宙の大きさ(1)

宇宙の大きさについてはまだ分かっていないことが多いが、「宇宙の果て」と言えば2種類の意味がある。ひとつは、数百年前でも議論されていたことで、物理的な空間に端があるのか、相対性理論が提唱されて以降は空間は曲がってつながっていて端は無いのか、という問題として扱う場合。「宇宙の果て」は、もうひとつの意味としては、観測可能な限界ライン(宇宙の地平線)を指す。

地球から理論上観測可能な領域(観測可能な宇宙)に限って問題にすれば、半径約450億光年の球状の範囲である。ただしこの大きさは赤方偏移から計算された理論上の値であり、直接の観測によって正確に分かっているわけではない。

典型的な銀河の直径でも3万光年であり、隣どうしの銀河の間の典型的な距離は300万光年にすぎない。例えば、我々人類が属している天の川銀河はざっと10万光年の直径であり、我々の銀河に最も近い銀河のアンドロメダ銀河はおよそ250万光年離れている。観測可能な宇宙の範囲内だけでもおそらく1000億個(1011個)の銀河が存在している